アポロンの呪い

ハゲは職場で十数年
配達弁当を利用しているので
ウチからは白飯と水筒を持っていくだけでした。

何故配達弁当なのかというと

・頼んでいる人が多かった

てのと
嫁(私)の作る弁当がマズい

てのが主な理由だと思います。

理由はどうあれ
十数年間楽でした。

え？
「マズい」と言われて怒らんのか？
って？

いや、奴は
例え北大路魯山人がプロデュースして道場六三郎に作らせた料理でも不味いと言い出しますから。


それにハゲが私の手作り弁当を持って行ってた時期って丁度
これ以上無い程貧乏だったので

食材はおろか調味料すら調達出来なくて
私自身が音を上げたってのもありますが。

で、これ以上無い程貧乏だったのに、
本人は毎月七千円も出して
プロの作ったお惣菜を食べる事にしたって殺していいですか？

でもやっぱり
プロのお弁当屋さんが作ったお弁当もハゲの腐って崩壊した味覚には合わなかったらしく

十数年間
「こんなマズい弁当に七千円も払わなきゃいけないなんてバカみたいだ」
と言いながらも
続けていました。

ちなみにそのお弁当屋さんのお弁当、ハゲが早退した時等に持って来たんで私も何度か食べた事があるんですが

味覚の正常な私が食べても本当にマズい。


こんなマズい弁当に七千円も払うなんてハゲは本当にバカ
と思える程マズい。

アスぺの味覚云々以前の話でした。

でも
「ハゲの弁当作んなくてラッキー♪ひゃっほう♪」

と思ってた私はスルーして来た訳です。

ところが！
十数年もマズい弁当を食べ続けていたハゲがとうとう
我慢の限界に達したようで

「俺、５月から配達弁当止める！止めるって弁当屋さんにも言ったから！」

いえ、マズいのはこの際関係なかった様です。
万年金欠のハゲは
弁当代の七千円を浮かせたかっただけのようです。

私
「へー毎日白飯だけ食うんだ(笑)へー(笑)」

これ以上無い程貧乏だった頃のまるで錬金術師のように
無から何かを作り出さなければならない苦労のトラウマと
「マズい」と言われた屈辱(やっぱり少し怒ってる)
で
スルーを決め込みました。


ハゲ
「い……いいもんっ！
コンビニでからあげくんとか買うからいいもんっ！
あんなマズい弁当にお金払うぐらいならなんて事無い！」

｡ﾟヽ(ﾟ｀Д´ﾟ)ﾉﾟ｡


まー
でも
十数年前と決定的に違うのは

私には若干の余裕があるって事。

↓↓↓

多少傷んでても解らないアスぺですから、前日作っておくなんて全然大丈夫。
クソしょっぱい塩マスとか漬物とか入れとけば何とかなる。
職場の人に見られ時に恥ずかしいので(私が)
ちょっとした彩り的な総菜は買うとして……

ついでに自分用のお弁当も作るとして……

(今まで、お昼はおにぎりだけだったり食べなかったり、白飯の上にコロッケ１個ドーンと乗せたやつとかだったので)

そんな訳で
数日経ちましたが
そんなに作るの苦痛じゃない。

しかし、ハゲは
食費生活費丸投げな上に
浮いた弁当代のいくらかを私に渡してる訳ではないので

タダで作ってやってるんだから
嫌いな物が入ってても
完食しろ
と
私の財力(←？)と気力が無い時は
白飯のみになるから
と脅して置きました。


で、そんな私のご機嫌を取るつもりなのか
昨日珍しくハゲがこんな事を言ってきたんですが……

↓↓↓

「弁当に入ってたアレ、美味かった！ほうれん草のアレ！」






それは冷食や(怒)



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